ラボ紹介
「サイバネティクス」は⼈とシステムを統⼀的に扱う学問のことです。「リアリティ⼯学」は現実感を操作するあらゆる技術を総称する造語です。サイバネティクス・リアリティ⼯学研究室では、⾝につけることで現実感を⾃由⾃在に操作し、新たな能⼒を獲得する、⼈間に対するプラグインあるいはエクステンションモジュールとしての情報システムについて研究しています。ひとことで⾔えば、未来の道具や超能⼒をマジメに創ろうとしています。
私たちは眩しければサングラスをかけ、聞こえにくければ補聴器をつけます。私たちは現実世界の⾒え⽅、聞こえ⽅、感じ⽅を操作・調整する様々な道具を使っているのです。バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実感(AR)、コンピュータビジョン、機械学習、⽣体情報処理などといった様々な先端技術を駆使することで、より⾃由⾃在に現実感を操作することができます。
こうした未来の道具を⽤いることで、障害を補ったり、新たな能⼒を獲得したり、⼈間の可能性を無限に拡げることができるのです。これにより、ひとりひとりのTPOに寄り添った「パーソナライズドリアリティ」を提供し、より便利に、より快適に、あるいはより安⼼して⽣活できることを⽬指しています。こうした情報システムを通じて、すべての⼈々がそれぞれの能⼒を最⼤限に発揮して助け合う、インクルーシブな社会の実現に寄与したいと考えています。研究室の略称であるCAREには、⼈をケアして寄り添うという意味も込められています。
技術紹介
⼈や環境の状態を知るセンシング技術、感覚を操るディスプレイ技術、道具と⼈の関わり⽅を考えるインタラクション技術を3つの柱として、様々な研究開発を⾏っています。 例えば、⼈間の視野に匹敵する超広視野HMD、眼を凝らすと注視箇所が⾃動的にズームするゴーグル、実際には動くことなく滑らかに視点を変化させて今いる部屋を上から眺められるゴーグル、周囲の⼈を⼩さくして満員電⾞であっても空いてるように感じられるゴーグル、顔表情を強調してお互いの気持ちが伝わりやすくなるビデオチャットなどを開発しています。視覚以外にも、向きを変えられる強⼒なファンを⽤いて⾵の⼒で⽬的地まで誘導してくれるナビゲーションシステムや、座ったままなのに歩いた感覚が得られるブーツなどを開発しています。
共同研究
豊⽥中央研究所、TIS、パナソニック、東北⼤学、核融合科学研究所など(敬称略、順不同)
社会活動
⽇本バーチャルリアリティ学会理事、IEEE Virtual Reality Steering Committee Memberなど
外部資金
⽂部科学省・科研費(基盤A×1、基盤B×3、基盤C×1、若⼿B×1)など